ipcc第5次報告では1951年以降の温暖化は人間活動の影響が半分以上とされています。その間の気温の偏差をy軸に、関連がありそうな人間活動の指標をx軸にグラフを描いて相関を調べます。相関の大小はグラフの1次近似線の決定係数 の大小で判断します。
1次近似線と決定係数相関をみるにあたり各年の平均気温はばらつきが大きいのでゴダード研究所の5年lowess平滑線を使います。グラフをタップすると暦年と気温偏差の間の1次近似線と決定係数 が表示されます。暦年については、=0.90でした。
次は温室効果ガスである二酸化炭素と温暖化の相関です。グラフをタップすると横軸が二酸化炭素濃度、縦軸が気温の偏差に変わり、相関をみることができます。=0.97で暦年よりも大きな相関関係があることがわかります。
次は化石燃料(石油、石炭、天然ガス)の使用量と温暖化の相関です。=0.88でした。十分に相関がある値ですが暦年の0.90より小さいです。1970年代(化石燃料使用量では40〜50億トンあたり)の気温低下などがばらつきを大きくしているようです。
次は全ての1次エネルギ(石油、石炭、天然ガス、原子力、水力、太陽光、風力、地熱、バイオ燃料)の使用量と温暖化の相関です。=0.90でした。化石燃料の0.88より大きくなっています。2018年には人間活動の15%は非化石エネルギで支えられており、その温暖化への寄与があると思います。
次は世界の人口と温暖化の相関です。=0.93でした。人口増加はエネルギー使用に加えてヒト自身や畜産による温室効果ガス排出も伴うため、1次エネルギー使用量よりも相関が大きいと思います。
次は航空輸送量と温暖化の相関です。地表近くでは二酸化炭素と水蒸気の温暖化効果が重なりあうのに対し、民間航空機が飛行する高度10000m付近では二酸化炭素の温暖化効果が支配的です。=0.95で大きめになりました。
但し相関グラフの形がここまでの指標と異なります。最近20年間の航空輸送量の増加に比べて温暖化は小さいです。これは50年間にわたる航空機の燃費改善の結果です。最後は世界のGDP(2010年の米ドル換算)と温暖化の相関です。GDPは人間活動全般にわたる経済指標です。=0.96で二酸化炭素濃度に次ぐ値となりました。
THE WORLD BANK(世界銀行)の GDP データここまで調べた結果を比べます。最も相関が大きかったのは温室効果ガスの二酸化炭素濃度で、2番目は経済指標の GDP でした。化石燃料の相関が暦年よりも小さかった件については次のページで調べたいと思います。