図1に示した各地の温暖化を見てゆきたいと思います。各国の気象機関では基準となる期間の平均気温からの偏差で示しているところが多いですが、このページでは気温の値をそのまま表示しています。
日本の15地点の年間平均気温推移を図3に示します。温暖化は100年あたり+1.24℃のペースで進んでいます。(グラフをタップすると1951〜1980年の平均気温を基準とした地球全体の地上表面の気温偏差の推移と比較できます。)
気象庁は南極の昭和基地でも気象観測を行っています。1967年から連続したデータがあります。昭和基地の周辺は温暖化していないようです。
オーストラリアは国土の大部分が砂漠で平均気温は20℃を超えています。気温の推移を見ると1980年代から温暖化が加速しているのがわかります。
アメリカ(本土)の温暖化については意見が分かれるかもしれません。1950年代から1970年代にかけて寒冷化の傾向があり、100年くらいの周期で気温が波打っているように見えます。オーストラリアと同じように1980年代から温暖化に転じていますが、最近の10年間は温暖化を打ち消すくらいの気温のばらつきがあります。
NOAA(アメリカ海洋大気庁)のClimate at a GlanceNOAAのClimate at a Glanceでは各州の温暖化傾向を見ることができます。100年あたりの気温変化トレンドを見るとわずかですが寒冷化している州がありました。南東部のアラバマ州です。この地域の人は地球温暖化を実感しにくいかもしれません。逆に北東部の人口密度が高い地域では他の地域に比べて大きな気温上昇があります。
図8はフランスで気温の経年変化の観測が行われている30地点の平均気温推移で、基準は12℃くらいです。フランスも他の国と同じように1980年代から温暖化が加速しているようです。
熱帯雨林地帯の温暖化も見てみましょう。マナウスはブラジル アマゾナス州の州都でアマゾン熱帯雨林地帯のほぼ中央に位置します。図9にあるのは1979年からの気温推移ですが各国と同様な温暖化が確認できます。
各地の温暖化を調べましたが過去の気象記録を遡れる年代は地点によって様々です。調べた範囲ではオックスフォード(イギリス)の気象記録がもっとも古く遡ることができました。1853年から2019年までの166年間の温暖化は1.4℃(100年あたり+0.9℃)になります。